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過去問のすすめ本物の生きた問題(入試問題)はやればやるほど力がつく

算数の過去問をやるときに初見の問題にどのくらい反応できるかがポイント

過去問は何年分やればよいか 3年分より5年分、5年分より10年分やったほうがよい

スケジューリングが大事よしだ塾では過去問を始める10月から翌年1月31日までのスケジュールをたてます

どの問題ができればよいか算数が得意か不得意かで攻め方が変わってくる

大手塾の弱点いろいろな塾のお子さんをあずかる中で、過去問の管理をしっかりしている塾がいかに少ないか、ということがわかりました





過去問のすすめ本物の生きた問題(入試問題)はやればやるほど力がつく
野球にたとえれば、試合(勝つか負けるかの本当の実戦)でしか磨かれないもの、試合でしか手に入らないものがあります。バッティング練習、守備練習はもちろん大切ですが、それをどんなにこなしても試合全体の勝負勘を養うことはできません。ですから試合を多く経験した人の方が、試合にほとんど出ていない人より本番で力を発揮する可能性は圧倒的に高いわけです。入試問題も同じです。問題集をいくら解いても、模擬試験をたくさん受けても、志望校の過去問をやらずに本番に臨んだらどうなるでしょうか? あるいは、模試ではほぼ同じ実力の2人がいたとします。一人は過去問を1年分しか解いていません。もう一人は10年分解いたとします。どちらが本番有利でしょうか? そう考えていくとなるべく早い時期に志望校の過去問にとりかかることが大切であることがわかります。算数が得意なお子さんは、夏休みから中堅校のいろいろな学校(男女共学問わず)の算数の入試問題に取り組むことができればなおよいでしょう。
※そうはいってもまだ算数が全然仕上がっていない、そんな時間的余裕はない、など事情は様々あるでしょう。ただ、本番の入試で算数の点を取るということにおいて、過去問をやらずに現状を維持しているだけで点数が取れるようになるというお子さんは稀です。ぜひ、頑張って過去問に取り組んでください。


算数の過去問をやるときに初見の問題にどのくらい反応できるかがポイント
実は過去問で一番重要なのは “限られた時間の中で、初見の問題に対してどのくらい反応できるか” ということです。解くのか、とばすのか、計算で求めるのか、書き出すのか、場合によっては「あてはめてみる」のか、自分の持っている力すべてを注ぎつつ瞬時に判断をしていかなければなりません。実際に出題された入試問題(過去問)で自分の対応力を試すわけです。解き直し(自分のまちがえた原因を分析すること)ももちろん重要です。ただ、本番の入試は1回限り。解き直しはできません。だから初見の反応が大事なのです。


過去問は何年分やればよいか 3年分より5年分、5年分より10年分やったほうがよい
前述の “限られた時間の中で、初見の問題に対してどのくらい反応できるか” を試す機会は多ければ多いほどよいと思います。ただ限度がありますので、できれば10年分です。同じ中学校の問題は必ず傾向や出題パターンがありますので、数をこなすこと(まちがえた問題の解き直しは必ずすること)で対応力も上がってきます。実際、SFCの過去問で2012年度(1回目)は30点台でしたが、回を重ね2020年度(9回目)、2021年度(10回目)では70点台をとるようになった子がいます。


スケジューリングが大事よしだ塾では過去問を始める10月から翌年1月31日までのスケジュールをたてます
10月第一週から翌年の1月31日まで17週間あります。そこから逆算して○○中学の過去問は何年分、□□中学の過去問は何年分やる、とご家庭と相談しながら決めていきます。当然、過去問は算数だけでなく1年度分4科目に取り組んだ方がよい(4科の合計点で合否が見えてくる)ので、たいていのお子さんは1週間に1年分の過去問をやることで“めいっぱい”ではないでしょうか。単純に考えて過去問は10月から始めても17年分しかできない、ということです。17週間の中には、学校行事があって忙しい週や、塾の冬期講習も含まれます。実際には17年分できない可能性もあります。(1月の小学校はすべてお休みして過去問を、という方もいましたが、そこはご家庭のご判断にお任せします)
一方、帰国子女入試のお子さんは12月の頭から入試が始まります。10月第一週から過去問にとりかかると11月30日までに9週間あります。理社をやる必要はありませんので、1週間に2年分取り組めば18年分の過去問ができるわけです。第一志望校10年分、第二志望校8年分といったイメージでしょうか。
勇気を要する判断
6年9月以降は塾に通うのはおおむね通常授業が週2日もしくは3日、そこに土曜特訓が入り、日曜日は朝から夕方まで学校別対策授業(サンデーサピックス、NNなど)ということになります。ですから、1週間の中で過去問に取り組む時間をどこにつくるか、しっかりと決める必要があります。場合によっては、過去問をやる時間を確保するために土曜特訓をどうするか、日曜日の学校別対策授業は本当に必要なのか(第一志望校はやはり厳しい、第二志望校にシフトするかというときなど)、を判断しなければなりません。


どの問題ができればよいか算数が得意か不得意かで攻め方が変わってくる
近日公開


大手塾の弱点いろいろな塾のお子さんをあずかる中で、過去問の管理をしっかりしている塾がいかに少ないか、ということがわかりました
スケジュール管理はしてくれるか?
“10月から過去問にとりかかりなさい。やったら持ってきなさい。” という本人任せスタイルにすると、やらない子はほとんど過去問に手をつけずにそのまま放置されてしまいます。しっかり管理してくれる塾では、まず10月第1週は○○中学の1次試験、10月第2週は□□中学の2次試験というふうに過去問スケジュール表をご家庭で作ってもらいます。次に、その内容がふさわしいか、無理がないか、確認します。そして、そのスケジュールに沿って過去問に取り組むよう声がけ、および毎週過去問ノートのチェックをしてくれます。

過去問ノートは細かくチェックしてくれるか? わからない問題は質問できているか?
過去問ノートのチェックでよくあるのが、担当講師が日付とサインをいれて “ハイ見ました” というやつです。これはダメですね。早稲アカの私がいた校舎では過去問ノートを科目ごとに担当講師が見ます。一人の子のノートを4人の講師で見るわけです。受け持つ生徒数にもよりますが、毎週3時間~長い講師だと5時間以上かけて過去問ノートをチェックします。まちがえた問題、正解すべき問題等にはひとつひとつコメントを入れ、総評として注意点、次回へむけての改善点、一方、良いところについては必ず褒める言葉を記入します。わからない問題や質問マークのついている問題があれば、当然すぐ対応です。

第一志望校ばかりになっていないか?
学校別対策のコースに所属していれば第一志望校の過去問はバッチリ見てくれます。ただ、受ける学校はそこだけではありません。現実的には第一志望校に進学する子より、第二、第三志望校に進学する子の方が多いのです。ですから、第二志望校の過去問もしっかりやっておきたいですね。

過去問にとりかかる時期は大丈夫か?
“過去問は11月からで大丈夫” という塾がありました。12月後半からは冬期講習、冬期講習が終わるともう年が明けていて、すぐに埼玉、千葉の1月入試がはじまります。逆算してみてください。11月からではまにあいません。

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